マラソンの歌27号-10
　　
平成17年 2005年

	二度来ると思はざりけりラップランド白夜の百キロマラソンに出づ 二度目とは自ずと心に余裕有り言葉判らぬ外国なるも 四時間のアーリースタート午後六時少人数のわれらスターとす 正面の夕日の眩し砂利道の小石が長く影を引きをり 長き影長く引きつつわれの駆く白夜の夕日なかなか落ちず 深夜にも地図の見えなきことはなし白夜の国のマラソン駆けつつ 火を囲み暖を取りつつサポートらぽつぽつ至るランナーを待つ 有り難うと言葉加へてエイド発つサンキューの後われ日本語にて 三・四時間日は隠れゐて昇り来ぬシルエットなる森を焦がして 手袋を忘れて手首が下膨れ日の出の前の寒さ身に凍む 後発のトップランナーわれを抜く端に控へて拍手を送る 日中の陽射しの暑し北極圏に近きといへども直射の濃くも 友不調われは好調それゆゑに前後しつつもゴールを伴に（菅原強氏） 十六時間切りてゴールは見込みより大幅短縮にわれは満足 このところ忘れてゐたるチタンテープ再認識す貼りて効果を レンタカー借りてドライブラップランド先年歩みし思ひ出辿る 見かけたる裸に素足北国の短き夏を貪る人々
	このところ海外旅行は、いつも大森敏生さん案内の格安ツアーの世話になっています。この度の前半ラップランドウルトラ１００kmマラソンも例外ではなく、京成日暮里駅に集合したのは、案内人の大森さんの他、金井靖雄・菅原強・原健次各氏と私に、成田で磯村和夫氏が加わり、合計６人でした。実際は、観光ではあるが、数日前に先行していた大森夫人の迪子さんが、スエーデンで加わり、合計７人。全員が６０歳以上の自由で身軽な皆さんでした・・・。 　正直なところ、私の主目的は、初めて参加する、後半のアイスランド５５ｋｍウルトラマラソンです。それだけに参加する、鶴岡１００kmの菊地光男さんもいるのですが、私はまさか２度行くとは思はなかったスエーデンにも、ことのついでとして、参加することにしたのでした。 　出発は６月３０日。コペンハーゲン・ストックホルムと乗り継いで、スケレッタのユースに到着したのは、時差７時間遅らせて、７月１日午前１時頃の強行軍でした。私と金井さん菅原さんが同室で、私持参の日本酒で軽く到着祝いをやって、寝たのは２時頃だったかな・・・。 　レースは７月１日、菅原さんと私はアーリースタートで午後６時です。スタート地点のアダックまで１００余km有ります。朝食後レンタカーを借り、大森さんの友達の案内で現地到着が３時でした。受付食事。食堂では先年世話になったステファンさん他、多くの皆さんに会えて何よりでした。が、会話の出来ないわびしさ・・・。ともあれ、何とも強行スケジュールのままレースに突入です。 　レース模様 　会話の判らない外国にいたとしても、２度目とは気持ちに本当にゆとりがありました。日本語で会話の出来る、同胞の菅原さんがいればなおのことです。その菅原さんがいつまで経っても私の視界内にいます。トランスヨーロッパ完走の実力者です。いち早く視界外に消えてしまうものと思っていたのですが・・・。 　ウオーキングシューズで、しかもニューなのが誤算だったようです。そればかりでなく私がいつになく好調で、５０kmまで前後しつつ、併走することも度々でした。 　５０ｋｍで丁度７時間。私にとって上出来です。ジャーニーランの速度、時速５.５kmで歩いても後９時間は、合計１６時間で完走できると計算できたところで、これまでも上りは歩いたが、以後平坦なところも適度に歩くことにしました。当然ながら、徐々に菅原さんの後ろ姿が見えなくなりました。 　会話の出来ない私でもエイドでは、グード・旨い、サンキュー・有り難う、ご馳走様、などと日本語でお礼を述べると、喜んでくれたようで、中には片言の日本語で話しかけてくれる人もいて、多少なりとも心を通わせることが出来たと思います。 　今年はリレーチームも２・３組あったようで、凄いスピードで抜かれました。４時間後の、正規のトップランナーに抜かれたのは６１・２ｋｍ辺りだったでしょうか。原さんに抜かれたのは７４ｋｍのエイドだったと思います。私は長い下りを快調に飛ばし、菅原さんに追いついたのが８２ｋｍのエイドでした。 　菅原さんはやはり不調で、以後ずぅ〜と一緒で、一緒にゴールしました。タイムは１５時間４０分。帰国後判ったことですが、先年より２０分遅いだけなのにびっくりです。 　アフターマラソン 　翌３日から９日までレンタカーを乗り回しました。 　３日。 朝食後宿舎の学校を出ました。スタッフや残っていたランナーに見送られて。レースのコースを逆走し、４５号線を北に向かいました。何度も数十頭のトナカイの群れに遭えて幸いでした。途中アブデジャイロからは、先年大森さんと２人で歩いたコースです。１泊目の山小屋に寄りました。詳しくはマラソンの歌２５号内、「北欧紀行」をご覧いただくとして、思い出を辿るべく運転を私がしました。北極圏のサークルラインの休憩所で一休みして、全く関係ないが日本ではチョコレートで有名だという、ヨックモックが今日の宿泊地です。 　４日。イエレバレーまでが先年歩いた道として、所々降りて写真を撮りつつ、私が運転しました。運転は余り好きでない私はそこで代わりましたが、大方は原さんと菅原さんが引き受けてくれました。イエレバレーからは歩いた道と分かれ、E１２を南東へ下りました。途中地元の男女２人のヒッチハイクの学生さんを載せてやりました。 　E１２を離れ左折するところで学生さんをおろし、フィンランドに向かいました。川を渡るとフィンランドですが、国境の検問など有りません。サンタの生誕地が目指すところで、サークルライン上にあり遊園地になっていました。 　フインランドとスエーデンの、スエーデン側の国境の町ハッパーランドが宿泊地でした。行く先々では教会・博物館などに訪れましたが、以後はもっと略記することにします。 　５日バルト海沿いのＥ４を南下。大森さんの友人トーマスさんの別荘で昼食をいただく。E4に平行する歴史の道を南下する。宿泊地ウメオ着。大都市ではあるが、金井さん菅原さんと私が買い物に出たところ、スーパーは８時を３分過ぎていてシャットアウト。仕方なく中華料理の外食。 　６日ビンデルン川沿いに遡上。激流見物。大森さんの友人クリスチンさん宅にて昼食。道の行き止まりを散策。アマナス泊。 　７日ポテトの丘に登る。大森さんの友人レオポルドさんの案内で川下り。レオポルドさんの母親の入居している老人ホームを見学。サンダル・シュナプス（北欧の焼酎）を買う。シクスティーンさん邸着泊。パソコンにて私のHP、先年の北欧紀行を見てもらう。 　８日シクスティーンさん兄弟夫妻の居るオートキャンプ場で休憩。ケーブルカーにて空中散歩。教会の巡礼宿舎泊。 　９日海底隆起の判る現場を散策。ロック。空港にてレンタカー乗り捨て。ストックホルムへ。船のユース泊。 　１０〜１２日陸のユース泊。いくつもの博物館・民族村などに行きました。列車でウプサラへも行き、戻って地下鉄にも乗りました。博識な原さんの案内でした。 　１３日より北欧の旅後半のアイスランドは別ページとします。 　アイスランド５５kmウルトラマラソン